教会のクリスマス礼拝も終わり、その晩から二日間徹夜して原稿を仕上げ、担当者に送信。1時間眠ってから新幹線で和歌山へ。高野山で三日間の研究合宿。覚悟はしていたが宿坊の廊下は氷点下。奥の院は落ち着いた美しい山で、歴代大名や著名人の墓が競い合うように林立していた。どんな人生を送ると、こういう所に墓を持ちたいと思うようになるのだろう。

そうして2011年も終了。
身近な学生の中に被災した人もいて、彼らの前で学問を語る度に、自分の一言一言が試されているように感ずる一年だった。2001年のときと似ていた。ヨーロッパで活躍しているルネサンス科学史家の平井浩さんがブログで「今年の流行語大賞は「隠蔽体質」「想定外」「ただちに影響はありません」のどれかになるべきだったと思っています」と書いていたけれど、僕は最後の語に一票入れたい。政治家や電力会社、専門家たちのレトリックだっただけでなく、深刻になりすぎず今まで通りの生活を継続しようとしてきた、自分を含む多くの人々のメンタリティを良くも悪くも表していると思うので。でも「ただちに」なかった影響は、長期的には必ずある。大人たちは「ただち」が終わる前に消えてしまうけれど、子どもたち、学生や若者たち、彼らがこれからもうける子どもたちには一生逃げられない問題となる。それを考えながら行動したいと思う。
一年間の私的10大ニュースのトップ2は震災と原発事故とすることにして、残り8つを思いつくままに。
3. イギリスで2回の史料調査ができた。問題ずくめでも愛していた国だけに、夏の暴動は残念だった。
4. パイプ・オルガンのレッスンを受けはじめた。ピアノやシンセサイザーとは全く違う触感、空気感そして歴史性に圧倒された。
5. タマコウォルズの中原・河野・西池3氏+鈴木晶久氏と一緒にバンドをやった。感激。
6. しかし忙しかった。土日も含めて学期中に午前1時まで仕事していなかった日はほとんどなかったと思う。役職に伴う会議も妙に増えた。このブログもホームページもほとんど更新できなかった。
7. 健康診断の数値を気にする年齢になった。
8. 今年もF1中継を全部見たが、サーキットには行けなかった。セバスチャン・ベッテルが強すぎてちょっと面白味に欠けた。BBCで全戦見れるのは今年が最後で残念。
9. 妻の野菜づくりが上手くなってきて、食卓がオーガニックになってきた。授業と博論執筆の合間によくやると思う。
10. 一度仕事から引退した両親が現役復帰してくれた。嬉しかった。
大学のクリスマス礼拝に来た卒業生に会って、ブログの更新が止まっていることを指摘されました。理由はただ一つ、てんこ盛りのデイリータスクに加えて、締め切りをとうに過ぎた大事な仕事をかかえていて、その遅れ方がもうハンパないため、とてもブログを書けるようなツラができないということです。申し訳ないことです。よろめきつつ突っ走る12月。しかしそれでもクリスマスはやってくる。皆さまメリークリスマス。今年は24日が土曜日ですから、近所の教会のキャンドルサービスなどに出かけられてはいかがでしょう。私は去年までおとなしくオルガンだけ弾いていましたが、今年は聖歌隊の指揮者なんていう大役まで仰せつかってしまいました(教会のおばあさまたちに「どこの音大の先生ですか」と言われ後に引けなくなった)。私はここにおります。